ぐりとぐらとママのきろく

元不登校長男「ぐり」と、現役不登校次男「ぐら」との記録です。

ぐらの 分散登校から通常登校

5年生のスタートは一斉休校から分散登校でのスタートとなりました。

新しいクラスメイト、新しい先生、新しい教室、誰でも緊張する時期だと思います。
敏感なぐらにとっても、あちこちにアンテナを張り巡らせる時期です。でも、頑張りたい気持ちも大きくなる時期です。

* 分散登校のスタート
分散登校はクラスの子が約半分ずつ、午前組と午後組での半日授業になりました。

ぐらは、最初こそグダグダでしたが、人数が半分になっていることが楽だったようで、分散登校の期間は、教室で授業を受けたり、保健室で過ごしたりと、行き来しながら、学校で過ごせていました。
午後登校の日は、午前中がずっとドキドキの時間になってしまうことを、先生が心配して下さって、ぐらは「毎日午前中でもOK」というご配慮まで頂きました。(本当に有難い)
 
* 通常登校のスタート
2週間の分散登校が終わり、通常通りになった日の朝、ぐらは登校の足を止めて言いました。

「今日から通常通りで、全員いるんでしょ…

自分のクラスだけではなく、校舎内の子どもの人数が倍になります。
ぐらは、考えただけで苦しくなってしまいました。

「行きたいけど、行かれない。帰りたいけど、行かないと」
という気持ちで葛藤していました。

通常授業がスタートして、6時間授業のうち、3時間くらい学校で過ごすことを頑張っていた4日目の夜でした。
「頭が痛い」と夕飯を食べずに布団に入りました。
シクシク泣き出しました。
「学校のことを考えると心がいっぱいになっちゃう」と、
目を瞑っているのに、涙が溢れてきます。

頑張りたい気持ちがあるからこその苦しみ。

こういう時、なんて声をかけたらいいのか。
ぐらは、どんな言葉を求めているのか。
わからなくなります。
ただただ、ぐらが絞り出す言葉を「うんうん」「そっか」と聞いて、背中を撫でてあげることしかできません。

泣きながら、寝ました。。。
夜中にも何度か目を覚ましてしまい、なかなか眠れない夜でした。
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翌日、それでも休む選択をしないぐら。
「少し不安」と言いながらも「行く」と保健室登校しました。
どれだけ頑張り屋さんなのでしょう。
それからもぐらは、休む選択はせずに頑張りました。
夏休みまであと数日、という日。
「また適応指導教室に行きたい」と言いました。
夏休みまでは、学校だけでいけるかなぁ・・とも思ったのですが、やっぱり限界でした。
行きたいと思える居場所があることが、とても有難く思えました。
「わかったよ。適応指導教室、連絡してみようね」
そして、ぐらと話し合い、
学校は今まで通り朝、保健室登校をして、数時間がんばる。
適応指導教室は、その後、帰宅してから行く
ことにしました。
適応指導教室のお話はこちら

www.grigra-mom.com

* 教室に入れない理由
ぐりに、教室の何が無理?と聞くと

「空気」

これ、小2で学校行きたくないと言ってから、何度も質問していました。
登校渋り時の親の対応としては、不正解と言われるかも知れませんが、何度も聞いてしまっていました。その理由を知り、そこを改善できれば登校できるようになるのでは?と考えていたからです。
でも、ぐらはずっと「わからない」と答えていました。
自分でも何が苦痛なのかわからなかったのか、言いたくなかったのか・・・
それが、答えました5年生!!まずは、そこに驚きました。
雰囲気などを敏感に感じてしまう。
自分がそこにいてもいいのか、受け入れてもらえてるかどうか。
周りにどう見られているか。
色々と考えてしまうようです。

ぐらは5年生になって、他にも色々な場面で徐々に自分の気持ちや状況を言葉で伝えてくれるようになりました。年齢的な成長もあるとは思います。家では話せていたことを、先生にはなかなか話せないことも多かったのですが「どうせわかってもらえない」の気持ちが少しずつ「話したら伝わる」に変わってきたのかも知れないと感じています。

* スモールステップ
通常登校になって、また教室から遠のいてしまったぐら。
朝はまず、保健室に登校させてもらいました。
小3,小4も一学期は保健室登校が多かったので、またここから始めよう!という感じです。
ランドセルは保健室に置いておきます。
これがぐらにとっては、戻れる場所(居場所の確保)として安心だったようです。
ランドセルは保健室に置いて、教科の準備だけを持って教室へ行きます。
そうすることで、休み時間には必ず保健室に戻る理由ができるのです。
休み時間に保健室でひと休みして、元気があればまた次の授業に行くという感じが良かったようです。

授業の20分だけチャレンジ!ということを試してみました。
先生がストップウォッチを貸してくれて、ピピピと鳴るまで教室で頑張ります。
(時間になったら保健室に戻ります)
スモールステップで教室の環境に慣れさせるのが目的でした。
ぐらは、調子が良ければ、45分間最後まで授業を受けられる日も出てきました。
もちろん、チャレンジすら拒む日もありましたが。

その後、冬になり、保健室登校の子の人数が少し増えた時期がありました。
ぐらは、自分の居場所が浸食された気持ちだったのか、
「保健室には行きたくない」と言い出します。
登校しない選択かと思いきや、それはぐらの覚悟でもありました。

「保健室じゃなくて教室に行く

ぐらは、学校の中で自分の居場所を探そうとしていました

ですが、ぐらにとって、教室で過ごすことは、不安と緊張で戦闘態勢といった感じになってしまいます。気楽なことではありません。
トゲトゲしい態度だったり、イライラすることも多くありました。心に余裕がないので、普段ならスルーできることもできなくなり、小さなことで、お友達とトラブルにもなってしまうこともありました。
そのたびに私は凹みます。もう学校行かなくていいよと言ってしまいたくなります。
それでも、担任の先生や保健室の先生、他にもたくさんの先生に助けて頂いて、そのまま教室への登校を続けました。
少しずつ、本当に一進一退でしたが、休まずに続けた結果、3学期には
「毎日1~2時間教室で授業を受ける」
と自ら目標を立て、そして見事に頑張りきれたのでした。

空気が嫌だったのに行けるようになったということは、その空気が変わったのだと私は思っています。
ぐらを(他者を)受け入れる、認める空気を、先生やクラスのみんなが作ってくれたのではないかと思っています。
さらに、適応指導教室でお友達や先生と笑い合うことで、ぐらはパワーを溜めているのだとも感じました。

慣れてきたところで、進級です。
また新しい環境でのスタートです。