高校生活をスタートさせたぐりのお話はこちら。
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欠席が続いたある日、ぐりと今後のことを話し合いました。
中学とは違い、欠席したら単位がとれずに留年となる現実。
次の定期テストを受けられないと厳しい状況になること。
ぐりは「もうどうでもいい」という投げやりな気持ちでいましたが、
「授業に集中できなくなった」と話してきました。
「辞めて働く」ことを考えたと。
そして、自分でネットで探してみたけど、今の状況では思うようなところで働けない。何もできないと、現実をみます。
そして。
「やっぱり高校は卒業したい。通信(制高校)にしようかな」
と言いました。
家族会議!
・全日制では出席日数が単位取得に直に関わってきてしまうので、単位制である通信制高校の方が、ぐりにとっては身体に負担なく、心にも余裕をもって、過ごせるのではないか。
・今、少し休んで復帰できたとしても、今後また無理をしたら同じ状況になりかねない。
・同級生と同じ時期に高校卒業を目標にするのであれば、10月のタイミングで転校させることがいいのではないか。
ただ、たとえ卒業が一年遅れたとしても、ぐりのペースで心と身体を整えていけばいいとそこももちろん覚悟しました。学生である今より、大人になってからの人生の方が長いので。
と、家族会議といっても、サクサク進行していきました。
親からは、ぐりの場合、基本的に外に出ることが好きで、人と接することも苦ではないということもあり、サポート校の通学コースを勧めました。ただ、毎日がキツイのであれば、週3日でも週2日でも、そこは自分のペースでスタートさせたらいいのではという話をしました。
ぐりが動き出す!
そこから数日して、ぐりは自分が通えそうな範囲(距離)の通信制高校サポート校をいくつかピックアップして、実際に見に行ってくる!と一人で調べて、一人で見学に行き、一人で学校説明まで受けてきました!
「僕は今、全日制高校の1年なのですが、転校を考えています。パンフレットもらえますか?」
と言ったようです。
その行動力に驚きました。
あまりに堂々としていたので、サポート校の先生は
「お家の方は、ぐりくんが転校したいと思ってること、ご存知なのかな?」
と聞いたようです(笑)
その後、私も同席で幾つかの学校の説明を聞いた上で、
ぐりは1つの学校に決めたのでした。
登校しなくなってたった2週間の出来事です。
不登校とカウントされるほどの欠席でもなく、あっという間の決断でした。
情報をもっていて良かった
中学三年生の時に、私は1人で通信制高校の説明会に行っていました。
なので、通信制高校、サポート校の仕組みや内容はある程度理解していました。
そして、どこかで想定の範囲内だったこともあり、私たち親もぐりの思いを慌てず、抵抗なく受け止めることができました。
もし、私たちに通信制高校の知識や情報がなかったら、昔ながらのイメージのままでいたら、「ちょっと待て」「よく考えて」と言って、私達親が納得したり、受け入れるだけの時間を引き留めていたと思います。
そしてお互いにモヤモヤとした時期を過ごすことになっていたかも知れません。
早めに情報を持っていて良かったと思いました。
学校の先生からのエール
驚いたのは学校の先生で、
まだ欠席日数もさほどなかったことや、コロナの影響もあり、欠席に関してはまだどうにでもなります!!少し休んで復帰できるのであれば、休ませることもできます!
と言って頂けました。
が、本人の気持ちは固まっていることを伝え、転校の手続きを進めてもらいました。
そして、9月末日、最後の日。
ぐりと一緒に学校へ向かいました。
学年主任の先生と、担任の先生とで、面談をしてくださいました。
ぐり本人も自分の言葉で、お礼を伝えられ、
先生方からもたくさんのエールをいただきました。
学年主任の先生は、入試の面接を担当していた先生で、
ぐりはとても印象的だったそうです。
調査書から不登校だったこともわかっていた上で、
「しっかりと目を合わせて話ができるし、自分の意見もしっかりと伝えられる。
この子は大丈夫だ!と思いましたよ!!
だから力を発揮できる場所にたどり着けますように!」
と言って頂きました。
担任の先生は
「転校は、本人と親御さんにとって大変なご心労だと心得ております。」
と前置きされたうえで
「ぐりくんのこれからの長い人生を考えたら、全くたいしたことではないと思うのです。色んな人の人生を見てきて思うことです。大成を成し遂げる人ほど、紆余曲折あるものです。」
ということを言って頂き、しっかりと握手をしてきました。
ぐりの心にも先生方の想いがしっかり届いていると思います。
最後に学生証を返却して、この学校の生徒ではなくなりました。
あっという間の高校生活でした。
冬の制服は、教科書配布のたった一日しか着ませんでした。
冬の体育のジャージは、一度も袖を通していません。
私立高校、入学金高かった・・・。
このあたりは、もう笑い話にしていきたいなと思っています(笑)
それより私は、
ぐりが高校受験を経験できたこと、
コロナ禍ではあったけど全日制普通高校での生活を経験できたこと、
またそこでの出逢い、
ぐりの人生で決して無駄な時間でも無駄な事でもなかったと心から思っています。
出費は高額だったけど(まだ言う)
素敵な出逢い
そして、ぐりの担任の先生との出逢いが、私にとっても素敵な出逢いとなりました。
最後のエールもそうですが、最初に欠席した日から心配してくださっていました。
先生はたった半年だったにも関わらず、ぐりを
「相手の気持ちをとてもよく考えられる、繊細なお子さんです。
だから、余計に気持ちが疲れてしまわないかと思ってしまいます。」
と声をかけて下さったことがありました。
ぐりの本質を見抜いていただけたような気がして、有難くて、感謝の気持ちが溢れました。
その後欠席が続いていた時も
「根性論で解決できることではない」とはっきりと言ってくださったので、
その理解の深さにも、救われました。
転校後の今でも、私は折に触れ先生にメールでぐりの現状をご報告させてもらっています。
元気に通っています。テストが終わりました。単位を取得できました。
その都度、先生はぐりが元気に頑張っていることを喜んでくださいます。
「また、いい報告ができるように頑張ろう」そんな気持ちになります。
まとめ
いい出会いだと思った学校でしたが、転校という事態になりました。
周りの目、親への報告、気が重いと感じることも正直ありましたが、それは一瞬。
転校は、何も悪いことではないし、私が最も大事なのは、ぐり!!
なぜかこの転校は、悩むことがなく、すべてが前向きにとらえられ、
新しい場所に向かおうとするぐりの顔が清々しく見えて、
私もワクワクしたのでした!!