ぐりとぐらとママのきろく

元不登校長男「ぐり」と、現役不登校次男「ぐら」との記録です。

「子どもから学ぶ大人になってるかな?」

茨城県教育研修センターさんのYouTubeです。

教育や学びについて、茨城県の教育センターの方や、

茨城県の現役の先生方と、木村泰子先生を交えてお話されています。

昨年度から開始されており、今年は2年目、

今回が第15回の開催です。

www.youtube.com

昨年の休校自粛期間に見つけて、そこから全て視聴制覇している私です。

木村泰子先生は、以前ブログで紹介した

「10年後の子どもに必要な「見えない学力」の育て方」

の著者であり、大阪市にある大空小学校の元校長先生です。

こちら↓ 

www.grigra-mom.com

「子どもから学ぶ大人になってるかな?」

 毎回、引き込まれるように聞き入ってしまう「Ed Café」ですが、

動画の時間が長いので1.5倍速で視聴しています(笑)

 

今回は、木村泰子先生の大空小学校校長時代の

ドキュメンタリー映画「みんなの学校」から、

発達障がいの特性を持ち、不登校経験がある、

とても苦しい体験をしている「セイちゃん」の

言動を中心に先生が学んだことについてお話されていました。 

座談会に参加されている方も先生方なので、

それぞれの視点で「セイちゃん」や周囲の子、

先生の関わりなどから、意見交換をされていて、

とても勉強になりました。

 

共に

トラブルを起こす子に対し、

どうしてあの子は、あんなことしちゃうんだろう?」

という発想ではなく

どうしたらあの子は困らなくて済んだかな?」

という発想でいることが大事だとお話されています。

 

不登校の子への対応も、

どうして来れないの?

何が嫌なの?勉強?先生?友達?家で何かあるの?

こういう関わりは

「学校に行けない原因を持っているのは自分(本人)

と、自尊感情を傷つけることになってしまう。

 

学校側で「来れない子がいる。」という事実から、

来れない子が、安心して学校に来れるようになるには

どんなことができるか

と、考える。周りの環境を豊かにする!

 

結果、不登校だった子が、学校に居場所ができて、

その環境を整えた周りの子も成長できたなら、

それこそが「共に」

人と人の違いを個性として、対等な関係にする。

 

WHY (なんで??)と考えがちだけど、

HOW (どうしたら?どうすれば?)と

考え方の視点を変えていくことが大事だそうです。

 

学校の先生の視点での座談会なのですが、

親としても、とても勉強になりました。

自主的と主体的

これまでは、自主的に行動できることが、評価されていました。

自主的とは、先生が持つ正解に向けて、自分から学んだり取り組んだりできる力。

 

そして現在は、主体的が求められるようになりました。主体的とは、ゴールや正解を決めるのは本人で,さらにそれに向けて考えて行動できる力。

と、お話されています。

 

例えば

廊下は右側を歩きましょう!と話して、それを自ら守れるのは「自主的」

人とぶつからないように歩きましょう!と話して、

自分でその時の状況に合わせて、右側を歩いたり、左側を歩いたり

対応できる力が「主体的」なのだとお話されています。

 

長男ぐりは、「自主的」に行動できる子ですねと、

小学校の頃からずっと褒めて頂き、評価してもらって育ちました。

(自主的を評価されていた時代です)

確かに、先生の意図していることが理解できる子で、

そこに向かって積極的に行動できていました。いい子でした。

ですが、ぐりは中学3年生で不登校を選択しました。

(ご興味があれば ぐりの起立性調節障害 - ぐりとぐらとママのきろく

体調不良がきっかけではありましたが、

ぐりは遅刻で登校することや適応指導教室などへの登校もせず、

完全不登校を選択をしました。

ただ、勉強は続けたいと、塾へは行きました。

まさに「主体的に行動した」ということだったのだと改めて思いました。

現在ぐりは、通信制高校の2年生。

サポート校へ登校し、アルバイトもしています。

不登校から抜け出した、今だから思えることかも知れませんが、

あの時ぐりが、不登校の選択をしたことは、

決して間違いではなく、

むしろあのまま「いい子」のままでいたより、

良かったのではないかとすら思えています。

先生から見た「いい子」だったぐりは、

不登校という自分の意志を貫き通しました。

私立高校からの転校も、

主体的に動き、決断しました。

(ご興味があれば ぐり 高校を転校する - ぐりとぐらとママのきろく

ずっと「自主的」に動いていた子が、

少しずつ「主体的」に動けるように

なったと思うと、

やるじゃん!

成長じゃん!!

と思えてなりません。

 

そして、もう一つの例え。

授業中、苦しくなると教室から出てしまう子について。

これまで先生は、わがまま!迷惑!発達障がいでは?と

何かとジャッジして、指導して、子どもを分断してきた。

木村先生は「「嫌だから教室から出る。」

これこそ「主体的な行動」ができている」と言われています。

 

我が家の次男ぐらも、今はだいぶ減りましたが、

教室から出てしまうことがありました。

先生から話を聞くたびに、困ったなぁ・・と

ぐらの「課題」だと思っていたのですが、、、。

 

「1時間だけ授業に出る」と登校した日、

授業開始のチャイムと同時に学校へ送っていき、

その授業の終わりのチャイムと同時に迎えに行ったのに

「さっき、下駄箱の電気のところに蝶々がいてね、

外に出してあげたくてさ。

歩いてきた先生に、網で出してあげたらどうかって話したら、

「網を使うと羽を傷つけちゃう可能性があるから

自然に出ていくのを、休み時間まで待ってあげよう!

それでも外に出てなかったら、網で出してあげよう」

って、言われてね。

でも、可哀想だったから、早く外に出してあげたかったんだ。

電気を消したら明るい外に行くんじゃないかって思って、

下駄箱のところの電気を消してみたんだよ。

そしたら外に出て行ったんだ!!」

と、ハツラツと話してくれた日のことを

思い出しました。

もちろん私は「授業はどうした?」と

ツッコミたい気持ちをぐっと堪えましたが(笑)

 

これも「主体的」に動いているということになるのか!?

と思えば、

やるなぁ!

なんか、すごいじゃん!!

とすら思えてきます。

 

我が家の息子たち、

少数派の道を歩んでいますが、2人ともそれぞれ

「主体的」に動ける子に育っていると思っていいのかな。

と思えたりもします。

1:52:45

(動画時間が長いので)1時間52分45秒あたりに、

高校2年生になった「セイちゃん」の寄稿が出てきます。

興味のある方は、ぜひ読んでみてください。

分かり易い言葉で、深く、大切なことを伝えてくれています。

我が子に重なる部分もあり、

学ばせてもらう部分もあり、涙が溢れてきました。

でも、とても清々しい気持ちで終わりました。

「子どもから学ぶ大人」

私も本当にたくさんのことを子ども達から学びました。

私の視野がどれだけ狭かったか、

私の経験値からの狭い狭い世界では、とてもじゃないけど

追い付かない息子たちの進む道。

2人が私の世界をぐーんと広げてくれたと感謝しています! 

私ももういい大人ですが、年齢関係なくこの先も、

ぐりやぐらからはもちろん、周りの人から学べる、

柔軟な人でありたいと心から思いました。

 

f:id:grigra-mom:20210806223122p:plain