ぐりとぐらとママのきろく

元不登校長男「ぐり」と、現役不登校次男「ぐら」との記録です。

ママとぐら 苦しさを思い出す。

先日、次男ぐらを学校にお迎えに行ったときのこと。

担任の先生と昇降口でぐらの様子などを話していました。
 
そこへ、子どもの叫ぶ声が聞こえてきました。
どうした??と思ったその瞬間、
先生方に抱えられながらも暴れて抵抗する子が
通りすぎました。
 
私は、その一瞬でぐらの荒れていた頃を思いだしてしまいました。
ぐらも暴れて、先生方に押さえられると、
「はなせ!」と泣き叫ぶことが
何度もありました。
登校渋りの中、引きづって登校させていた頃です。
思いが伝わらないモヤモヤ。
頭の固い大人達。
学校なんて大嫌いだ!
先生なんて大嫌いだ!
ママなんて大嫌いだ!
そんな荒れた時期。
私にとっても、ぐらの気持ちに
寄り添ってあげているつもりが
ちっとも寄り添えていなかった、
一番苦しかったのは、ぐら本人だと
なかなか気づいてあげられなかった、
苦しかっただろうなと思い返す
反省と後悔の時期です。
 
この日、暴れて抵抗していたあの子が
どんな理由で暴れることにまでなったのかは
分かりませんが、
心がぎゅーっと締め付けられる感じになり、
ぐらの担任の先生とぐらの話をしていたのに、
私は突然涙が溢れてしまいました。
 
「先生、話の途中でスミマセン。
以前のぐらと重なってしまって。
あの子も今、すごく苦しいんだろうなと
思ったら、
私が苦しくなってしまいました」
と伝えました。
 
そして、帰り支度をしていたぐらを見ると
座り込んで固まっていました。
私と先生の会話は聞こえないところにいたので、
「ぐら、どうした?疲れちゃった??」と聞くと
 
「違う。なんか、あの子見ちゃったら、
ぐらもあんな頃があったから、
思い出しちゃって、なんだか
悲しくなってきちゃった。」
と言い、私に抱きついて涙を拭いました。
 
「そっか。わかるよ、ママも同じ。苦しいね。」
 と背中をさすりました。
 
担任の先生は
「ぐらくんだから、わかってあげられる
気持ちがあるんだね。」
とぐらに声をかけてくれました。
 
帰り、黙ってトボトボ歩くぐらに、
「あの子今、苦しいね。
きっと、何か理由があるんだよね。
ぐらも苦しかった時があったから、
気持ちをわかってあげられたね。
 
クールダウンの部屋で落ち着いたら、
ちゃんと話ができる子だから、きっと大丈夫だよ。」
と話をしました。
 
自分の過去と重なる状況を見てしまったので、
感受性の強いぐらは衝撃を受け、
また自分の過去の苦しさも思い出してしまったのでした。
 
家に帰ってもしばらく大人しく、
無口でした。お昼ごはんの準備中、
テレビを観ていたぐらが、クスッと笑い
少しホッとしました。
午後は、適応指導教室へ行き、
みんなで過ごすことで、
お迎えの時には、元気になっていました。
 
そこで、たまたま以前(荒れていた頃)の
ぐらを担当して下さっていた相談員さんに
お会いしたので、
この日学校であったこと、
ぐらの様子が心配になったことをお話しました。
 
「苦しかった」気持ちを共感してくれて
私の心も少し楽になりました。
 
そして、ぐらにも
「ぐらくん、今日◯◯ちゃんのこと、とても心配してくれたんだね。
ありがとうね。ぐらくんは本当に優しいね。その優しい気持ち、先生とっても嬉しいよ。」
など直接話してくれました。
ぐらは、思い出したように一瞬泣き顔(ぴえん顔)になりましたが、
ニコっと頷き、元気に帰宅しました。
 
この日、たまたま前担当の相談員さんにお会いできたことで
気持ちを共感してもらえて、
苦しかった気持ちを吐き出すことができて、
ぐらの気持ちにも寄り添ってもらえて、
本当に良かった。
 
 登校渋りで、荒れていたあの頃の事、
ぐらの中では、「あの頃の思い出」
ではないことを感じました。
「苦しい事」として、今でもまだ
ふとしたきっかけで、戻ってしまうようです。
出来事として思い出すのではなく、
その時の感情に戻ってしまいます。
 
その感情は、無理に蓋をするものでもないと
思うので、苦しかったけど精一杯頑張っていた
あの頃の自分を認めて
そして、
今のぐらは、あの頃のぐらではないんだよと
感情を引き戻されないよう
今の自分に意識を向けてあげることが
大事だと、何かで読んだことを思い出しました。
ぐらの為にも、私自身の為にも
しっかりと心に留めておこうと思いました。
 

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